印刷博物館
では印刷博物館へと参りましょう。印刷博物館はトッパン印刷が運営する複合文化施設で、印刷の意義や果たしてきた役割を多角的に提示しています。
今日はここで開かれている「ヴァチカン教皇庁図書館展U」を見に来たのですが、予め申し込む形のVRシアター「システィーナ礼拝堂」特別上映にも抽選で当たったので、まずはこちらを見学。
システィーナ礼拝堂内を自由に見て回れるインタラクティブな装置が最大の目玉で、司会者がそれを操作する人を「お客様の中でどなかた手伝っていただいて・・・」と選ぶ瞬間、私に目を止め、つかつかと近寄ってきてiPadを手渡しました。
私は別に操作したいと願った訳ではなかったけれど、これは主が下さった機会かも思い、ミケランジェロの最後の審判だけでなく、両壁に描かれているキリストの生涯に近づいてみました。するとそれらが当代の有名画家がそれぞれ場面を指定されて描いたもので、キリストの大きさ等が全部統一されていることなどを解説してくれました。私にとってはプレゼントのように思え、主の愛を感じました☆
「ヴァチカン教皇庁図書館展」
この展覧会は、印刷博物館のキューレーターが十年がかりでヴァチカンと交渉し実現したもので、簡単には貸し出されず、見ることができない資料が一杯。私が見たかったのは、「ヴァチカン貴重庫で見つけた日本・東アジア」というコーナーで、中でも最大のお目当ては、天正遣欧使節がヴェネチア共和国に送った感謝状と迫害期にキリシタンが教皇に送った奉答文でした。
もうこの2つをこの目で見るまでは気が気じゃないというか・・・(笑。ガラスケース一枚隔てられたところに、天正遣欧使節の4少年が実際に書いた文字と署名があるのを見て心躍りました。また日本ではキリスト教禁令の嵐が吹き荒れて、次々と殉教していく者が出ている状況で、教皇が「聖年」の特別な許しを授けるとの手紙を下さったのですが、それに感謝して、各地のキリシタンが書いたのが奉答文です。
教皇の下さった恵みに感謝して、命を捧げて主に仕えますとの内容の手紙を認め、キリシタンたちがこれに署名して宣教師に託してローマに送ったのですが、それが今もヴァチカンの貴重庫にあったとは! 巻物状になった手紙はきれいに装丁され、「手紙」というより「書状」あるいは美術品のようです。
私は崩し字が読めないけれど、漢字に混じった平仮名はたどれます。墨で署名した中に、後に殉教者になったキリシタンの名前を見つけぐっときました。ハンカチで涙を受け止めながらずっと見つめておりました・・・。